オーストラリアの避雷針ビジネス

日本は地震や台風などの災害が毎年定期的に発生し、世界有数の自然災害が多い国だと思われがちです。オーストラリアは地震はない国ですが、地震がない=自然災害が少ない国ではございません。突然の豪雨で水かさが急激に上がり、洪水に見舞われる地域や、同時期に大干ばつに悩む地域もあります。日本と種類は異なりますが、意外とオーストラリアは自然災害の多い国です。 

中でも頻繁に発生し大きな影響を与えている災害は、暴風雨を伴う落雷となっております。これはオーストラリアに限らず、世界各国で地域によって、台風、ハリケーン、サイクロンなどと呼び名は異なりますが、地球規模での異常気象の影響で年々人間の予想、対策を上回るダメージを与えています。
 
暴風雨による都市部の被害額は、一度の大雨で大都市のGDP1%にも及ぶと言う、データが出ているほどです。暴風雨は水害の他に、落雷も伴います。オーストラリアの雷パワーは、日本の雷とは比較にならないほどパワフルで、停電だけではなく、鉄道など公共の施設を完全にストップさせるほどの破壊力があります。また建物に落雷する頻度も日本よりも遥かに多く、オーストラリアだけではなく、世界の国々も落雷対策に頭を悩ませている状況です。

余談なりますが、今年の一月初旬にオーストラリア第一の都市であるシドニーで、電車のタイムテーブルが完全にクラッシュする出来事が発生しました。駅のホームではホームに入り切れない程の人で溢れ、電車が到着すると、乗客が我先にとスペースに体を入れ、さながらインドなどの発展途上国見かける、すし詰め状態の映像が連日ニュースに流れました。シドニー鉄道局は当初、大規模な落雷と暴風雨によるダイヤの大幅な乱れだと述べましたが、実は給与等に不満を持つ労働組合のゲリラ的なサボタージュだった事が判明しました。海外では自然災害の影響と発表するものの、実際は異なる理由だった。そんなケースも結構ありますので、注意する必要があります。
 
話を戻しますが、高度経済成長を遂げているアジアの国々とオーストラリアは密接な関係を築いているので、経済の恩恵や影響も受けやすく、堅調な成長を遂げております。また地価高騰を続けるオーストラリアに投資目的でマンション等購入する富裕層の購買欲もまだまだ強く、他にも都市部は絶対的に住居が不足していますので、現在オーストラリアは建設ラッシュが続いております。マンションや、高層ビル建設現場には、建物の他にもタワークレーンも設置されており、どちらも高層階に位置する人工物なので、暴風雨時には落雷に遭遇する可能性が非常に高く、建設中も建設後も安全の為に、避雷針の設置を義務付けられております。

一番ポピュラーな避雷針システムは、プリベクトロン端末を使用した雷防護システムになります。このシステムは半径43メートルから107メートルまでを保護し、落雷時に端末は直撃により蓄積されたエネルギーを放出して、鉛直線をたどり地面に荷電したイオンを放出します。

またオーストラリアは国土から豊富な地下資源を採掘しています。採掘所は周りに高い建物や、遮る自然物はほとんどなく、採掘所施設への落雷報告は、以前から非常に多くの報告が上がっています。

採掘所では、石油、石炭、天然ガスなど資源自体が可燃物の場合や、坑内などに可燃性の強いガスが充満している場合もございます。これらの可燃性の高い物質に雷のエネルギーがプラスされると、引火し、採掘所や、鉱山自体を吹き飛ばす大爆発を起こす可能性があります。その為直接的な落雷対策の他にも、落雷のエネルギーを地面に逃がすアース線の充実。電源や、膨大なデーターを扱うIT機器の保護。検査やメンテナンスを含めた総合パッケージサービスが、市場からの高い需要となっております。

オーストラリアは日本のおよそ20倍の面積を誇る広大な土地に恵まれておりますが、反面国土のほとんどが人間が生活するのに適していない乾いた大地が広がっています。また都市部と都市部の間は空白地帯となっており、国土全てをカバーするインフラ網を築くのはマンパワー的にも、金銭的にもかなり困難な問題になっております。 その為太陽電池を利用した機械の普及に伴い、辺境の地などだけではなく、街中でも出来るだけメンテナンスに時間を掛けず、配電を必要としない信号機やパネルなどが普及し始めました。極力人の手を掛けないのを目的としておりますので、それらの機械の保護の為に、ポータブルな避雷針の重要も増えております。

落雷によって建物や施設の崩壊を防ぐ為に、適切な避雷針設置は必須で、高品質の避雷針の需要は高く、それを提供&サービスを行う業者も多数存在します。安全性が極めて高く求められる分野なので、オーストラリアが定める安全基準を満たす事が大前提ですが、市場は高品質の避雷針のニーズを求めてますので、市場参入出来る可能性が高い分野だと言えます。


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